僕の代わりにホーチミンの部屋の引越しをして欲しい。その3

ベトナム生活

しんちゃお。
今日は珍しく雨のないベトナムからくろまめです。

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僕の代わりにホーチミンの部屋の引越しをして欲しい。

1度会ったきりのオットの同僚に頼まれて本人不在の引越しをすることになったくろまめ。

断りたいけど断れない。
覚悟を決めて向かったマンションではロビーに入ることに失敗!

受付で未納料金を支払ってやっと部屋に到達するも、暗証番号ミスで玄関ドアがロックされる。
ことごとく想定外のアクシデントに見舞われるくろまめ。
3か月以上借主が不在だったアツアツの部屋の中はどうなっていたのか。

前回の記事 (妄想を含む)その2はコチラ

僕の代わりにホーチミンの部屋の引越しをして欲しい。その2
僕の代わりにホーチミンの部屋の引越しをして欲しい。 しんちゃお。 今日も午後から激しいスコールのベトナムからくろまめ...

 


多分、こんな稀有な経験はあとにも先にも一生に1回なんじゃないかな。
スリルとサスペンスが好きな人には“
海外で本人不在の引越し”を一度は体験してもらいたし。
火曜サスペンスよりスリル満点!

引越しの必需品、ゴミ袋を持参し忘れる。

さて、引越しには必ず必要なゴミ袋。
持参するのを忘れて臭い臭い冷蔵庫の中身が捨てられずもじもじするくろまめ。
ここは家具家電付きのマンション。(うちもだ)
夜逃げのようにさっと引越しすると言っても、臭い冷蔵庫の中身をそのままにして去ったら大和撫子の名がすたる。

ゴミ袋の代わりになるようなものはなにか無いかな~。
壁のオープン棚の下に大きめの引き出しがあったので開けてみた。

わわわわわーなんじゃこりゃ。

アハハハハハハ!こわっ!

クロゼットではきっちり並べられたTシャツを見てドン引きしてたけど。
ドン引きどころかちょっとした恐怖まで感じて、つい妄想しちゃったけど。
スーパーのビニール袋ではさすがに妄想までは出ず。
でも、よくこんなに新品みたいに綺麗にシワ伸ばしたわ…。

人間ってさ、恐怖を感じると鳥肌がたつのよね。
くろまめはこの時、襟足の髪の毛がピンと逆立った気がしたよ。
またいつかオットにも教えてあげようっと。

冷蔵庫の中身を全部処分する。

ゴミ袋にするのがもったいないくらいのピンとしたレジ袋を冷蔵庫の前に広げて
ケチャップやチリソースやらの小さい袋は30個くらい捨てた。
東南アジアでファストフードを買うと、この両方を必ず付けてくるけど、もったいないなぁ。
くろまめはチリソースは必要ないのでその都度返してる。

調味料の中には塩なんかの調味料のほかに醤油とソースもあった。
しめしめ、家に持ち帰って使えないかな?(日本の調味料はベトナムでは貴重)とも思ったけど、なんせ電気が止められてアツアツの冷蔵庫に長期間あった調味料。
念のため目線のところまで持ってきたら強烈な臭いで頭がくらくらした。

もったいないけど、やめとこ。笑

バイクで走ってるときにもれたらヤバイ。
こっちではよく魚の袋をビニールで運んでる。
後ろを走るとしぶきが臭くてすごい。
ベトナム過酷。www

冷蔵庫が終わって冷凍庫のドアを開けてみる。
幸いにして冷凍庫には
何も入っていなかった。
恐怖だった生ものが無くてホッとした。
しかし生ものがなくてもこれだけ強烈な臭いを放つのだから、もしも入ってた時には大変なことにななったと思う。
腐乱死体並みの臭いになって通報されちゃうぞ。
腐乱死体の臭いは嗅いだことはない。


キッチン用品などはすべて残していくということだったので、冷蔵庫の中と調理台の上を持参した除菌ティッシュでさらっと拭いた程度でキッチンは無事完了とした。

持ち帰る荷物を全部ベッドの上に広げてみる。

T本さんがミニマリスト風とは言え、荷物を全部ベッドに出してみたら思いのほか量がある。
腕組みして眺める。

制服一式、スポーツウエア数種、ポロシャツ、Tシャツ、スラックス、肌着や靴下、ベルトやハンカチやタオル類。
書類は持参したクリアケースに入れる。
ちょっとした工具類や無印のピンチハンガー。
「自由に持ち帰って」と言われたボトル入りのガムや日本の薬やサプリ。
それにヘルメット。

バスルームはまだ片づけてない。

いっぱいに置かれたこの荷物をどうやってあの中くらいのスーツケースに収めるのかな。

T本さんはスーツケースが大きいって言ったよね?

  1. 部屋から運ぶ荷物の量はどのくらい?運び出すバッグや段ボールなどはある?
    →大丈夫。大きいスーツケースと小さいスーツケース各1個を部屋に置いてあります。

    すべてその中に入れてくろまめさんちに運んでください。

ちっとも大きくないわ。
むしろ小さいわ。
やっぱりくろまめの巨大なスーツケース持参するんだった。

持参した巨大エコバッグを使っても足りるかな。

よし、洗面所のものは明日にしよう。

ゴミを捨てる。ゴミ置き場が遠い。

ゴミ置き場はフロアの一番端にあるということだった。
ワンルームだけのフロア。
やけに廊下が長い。

捨てるゴミはなんだかんだと結局スーパーの大きめのレジ袋で8つくらいになって、ゴミ置き場までは5回往復した。
さらに大きなかたい革靴も捨てて欲しいとのことだった。
クラークの靴だけどいいのかな?

でもちょっと待って。

 

なんだか、くろまめトイレに行きたくなってきた。

トイレ真っ暗だけど仕方ないか。

 

あ!!!

大変!!!

水が止まっていてトイレが使えない。

あーー!トイレ使えないんだった。

いや待って。
この自然現象は止めようがないよ?

日本のようにコンビニにトイレがあるわけでもなし、どうしようか。

チッ!水道が出ないということはこういうことかぁ。
トイレのことまで考えてなかった。


その時、1.5ℓのミネラルウォーターのボトルが目に入った。
レジ袋の引き出しの横にそれは3本あった。

1.5ℓ×3本=4.5ℓ

しかし滝汗かいてるくろまめはできればそのうちの1本は飲みたい。


2本のキャップを開けてトイレのタンクの中に入れる
トイレのタンクの量はいかほどか知らない。

2本で3リットル?
流す量としてはなんか足りない気もする。

 

ふーーー。
ぎりぎりなんとか済ませることができた。
トイレが1回だけで済むとは思えないけど。
見た目恥ずかしくない程度に流すことができたと思う。
3ℓありがとう。


正直トイレが暗すぎてじっくりは見ていない。
今日はいいとして、
明日はどうするんだろ。。。

ま、いいや、明日は明日の風がふく。

予想以上に持ち帰る荷物が多い。

計画では初日の今日はまずバイクを我が家に移動することになっている。

昨日は自分の家の受付に出向いてカードキーにT本さんのバイク情報を登録しておいた。
バイクの写真を送ってもらっていたのですんなりナンバー登録できた。
今月から駐輪代は2台分払わなければならない。(駐輪代は食費2日分に相当する。)
取り合えず自分の家の駐輪場ゲートはすんなり通れるはず。

その前に問題はバイクの運転だよ。
ひとまず今日のところは通勤ラッシュのない明るい時間帯にバイクを移動させなければ。
道も知らないし混み始めてから運転できる気もしない。
グリッドロックなんてことにでもなったら目も当てられない。
信号の少ないホーチミンで時々起きる現象:グリッドロックとは車とバイクが道いっぱいにふさがって、にっちもさっちも動けなくなること。


洗面所は明日片づけるとして、おおかた荷物のめどがついたから、そろそろバイクの移動しなきゃ。
予定では熱さがピークにならない午前中に帰るつもりだったけどすっかり遅くなっちゃった。
どこもかしも渋滞のホーチミンで家まで
どのくらい時間がかかるかわからない。
雨季の今は午後に雨が振りやすいから早めに出発しよう。

さあ地下の駐輪場に向かおう。

スーツケースはぱんぱん。
なぞにバナナの模様がついたサブバッグも探し当ててた。

  • スーツケース中 1個
  • 書類用トロリーケース 1個
  • 巨大エコバッグ 2個
  • バナナバッグ 1個
  • ヘルメット 1個
  • UNIQLOビニール袋 1個
  • くろまめのリュック 1個

なんか多くない???
ひとりで持てる量じゃないよ。
台車が欲しいくらい。

いざバイクに乗って帰ろうぞ。

翌日の荷物を少しでも減らそうとメットインに入りそうなものだけ持ってリュックを背負いエレベーターに乗る。

地下二階の駐輪場へ行く。

バイクはちゃんと言われた場所にあった。
エンジンもかかった。
タイヤの空気は抜け気味のようだけど、明るい地上に出てみないとどうにも良く見えない。
T本さんに言われたバイクの登録証を収納する。

パーカーを着てヘルメットとグローブとマスクをつける。地下でも暑い。
サイドスタンドはずして通路までバイクを押す。

しかしこのバイクすごい重い。
取り回しが楽じゃない。
とてもじゃないけど、押して段差なんて乗り越えられないわ。
汗をかきかきバイクを通路まで動かして跨り、改めてエンジンをかける。

くろまめバイクを運転するのはまさに5年ぶり。
空白の5年間

5年前の夏に日本でバイクを運転していてダンプに轢かれた。
ダンプに乗り上げられたバイクは全壊。
くろまめは全身打撲で救急車で運ばれたけど、奇跡的に肋骨骨折1本と両足の擦過傷、左足首靱帯損傷、頚椎捻挫、腰椎捻挫だけで済んだ。

悲しくも愛車は廃車となった。
くろまめの左足首には痺れが残って慣れない東南アジアで制限付きのリハビリに1年以上通った。

事故処理の保険会社の対応には納得がいかず弁護士を立てた。
弁護士さんが頑張ってくれて保険会社が謝罪して係争は1年かからずに終わった。

事故のあと、友人たちはくろまめがバイクを乗ることにこぞって猛反対した。
走馬灯のようによみがえる記憶。
痛かったなぁあの時。
そんなこともあったわね、と。

幸いにも今はホーチミン。
誰にも気づかれる心配はない。

バイクで出ようとしたら警備員が走ってきた。

地下駐車場をぐるっと大回りしてスロープを上って地下一階に出た。
第4の関所である出口のゲートに向かう。
このバイク、ボッボッボッ機関車みたいな音だぜ。

ゲートを操作するブースにいたのは女性警備員だった。
言われたままにカードをタッチする。

なんの反応もしない。ピッとも言わない。
当たり前だ。
スペアカードキーには情報が入っていないのだから。

受付嬢にはバイクを移動したいことも話してあった。
それが警備員さんにも連携されて
「うーん仕方ないわね、いいよ」って言ってくれないかな。
ちょっとだけでいいからゲートのバーを上げてくれないかな。


女性警備員からしたら、やけに目立つバイクにいつもと違う人が乗って来た?
そりゃ不審でしかない。

堂々と駐輪場からバイクを持ち出そうとしてる犯人に見えただろう。

女性警備員が叫ぶ。
ベトナム語で「▽×@§±△〇×××××ーーー!」
要するに

駐輪場のゲートはぜーったいに開けません!
ってことだった。

がくーーー、やっぱり!

言わんこっちゃない。
そうだと思った!

後ろに車やバイクが控えてなかったから良かったものの。
しかたなくバイクを降りて後ろにずらす。

逆戻りか…。

そのとき体格のよい男性警備員がひとり、駐車場の方から走ってきた。

(つ、つかまるの?)

大きな声でなにか言ってる。
見知らぬ人から見たらマスクをしているくろまめはベトナム人そのものだろう。
体型だって顔つきだって今の服装だって誰も外国人とは思わない。


マスクしてたらいつでもベトナム語で話しかけられる。
フィリピンではタガログ語でシンガポールでは中国語で。
どゆこと?

走ってきた警備員がベトナム語で何か叫びながら上を指さしてる。

「レセプション?」と聞いたらうなずく。

そうだろうね、そうでしょうとも。
そうですよ。
そうなんですよ。

また受付に逆もどりだ。
あーーー、もうっ。

滝汗をこぼしながらバイクを地下二階の元の位置に戻す。
ハンドルロックをして、鍵を抜き、パーカーを着たままヘルメットだけ脱いでエレベーターに乗る。

また受付嬢にお願いしないといけないのか。
気が重いなぁ。

受付嬢がいなくなる。

1階のロビーについてエレベーターの扉が開いたら受付カウンターに嬢はいなかった。

受付カウンターが空っぽ。
なぜ??
嬢はどこ行った???

この時、くろまめはまだ気づかずにいた。

この後にも次々と危機が訪れることを。 

 

 

どうする。
どうする。

 

次回に続く→

 

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