しんちゃお。
ベトナムでひとり家探しの難行苦行に滝汗たぷたぷくろまめです。
ひとまず、家探しのことはゆっくりと後日に述べるとして、
あのね、最近くろまめは思い切って洋服をオーダーした。
うにゃ、なんと贅沢な!?って思った奥さんいるよね。
うん、確かに。
くろまめもそう思ってた。
どうして今このタイミングで???(あんたんち、無給じゃね?)
そうなの。
だからオットには秘密にして欲しいww
実はずっと前からオーダーは決めていた。
くろまめの洋服に対する執念
幼いころから年頃になるまではずっと母親の手づくり服で生きてきた。
母親お手製の洋服が気恥ずかしい時期もあったけど、襟に施されたカットワークや、裏地にも工夫されたデザインなど、母の手仕事をよく褒められていた。
デザインをイチから起こして裁断して、手間を惜しまずに長いこと娘の洋服を手づくりしてくれた母に感謝しかない。
大人になってからもバッグを作ってもらったり、旅行用にサイズ別の巾着を作ってもらったり、買った洋服のサイズ直しをしてもらっていた。
自分の洋服好きは母親のDNAなのだとつくづく思う。
オーダーした服を纏うことは女性の憧れ。
日本ではなかなかチャンスもなく、ハードルは高い。
大枚はたいて誂えたとして流行のデザインだと着られる年数は限られる。
アオザイ風ワンピースって何?
今年のお正月にホーチミンへ後輩が遊びにやって来た。
そのとき彼女がアオザイ風ワンピースを買った。オーダーではない既製品を買ったけどお店がお直しをしてくれた。
細身の彼女が試着したSサイズのワンピースは襟ぐり、脇ぐりなどに少しゆるい部分があった。
フィッティングしてもらって、ゆるい部分はサイズの微調整をしてくれることになった。
「お店が直してくれるの?良いね!」
とてもよく似合っていて彼女は購入を決めた。
お店に普通に並んでいる既製品だったから、緩い部分を簡単に軽く詰めるのかと思っていたら、想像とはちょっと違った。
既製品なのに採寸が本気?
丁寧に採寸したうえで翌日仕上げてくれたアオザイ風ワンピースの出来上がりの綺麗さに驚いた。
翌日お店で出来上がりと試着したワンピースは細身の彼女にとてもよく似合っていた。
「おおっ!」「素敵~!」「このまま着て帰ろうよ!」「おいらも欲しぃー!」
シルエットの綺麗さ、仕上げの良さにびっくりした。
洋服好きの方ならこの感覚をきっと共感してもらえるだろう。
好きなデザイン、色、素材、そして身体にしっくりくるサイズ。
自分を引き立ててくれる洋服に巡り合うのはなかなか難しい。
彼女が試着したワンピースは特別に誂えたの?ってくらいシルエットが美しくて
しかもとってもベトナムらしい。
(おいらも欲しいな…)
その時はホーチミン市内を案内している最中だったし、時間が限られていて残念ながら自分のものまで買物する余裕は無かった。
自分はこの地に住んでいるのだからいつでもオーダーできる。
アオザイ風ワンピースだと流行も関係ないし、お店に再訪する日を楽しみにしていた。
しかしそこにやってきたのが憎きコロナ。
その影響ですっかり生活が変わってしまった我が家。
社会隔離で出かけられない日も続き、その後も勝手に自粛。
お店のある華やかな街中とは長い間、無縁の生活になっていた。
このタイミングだからこそオーダーしておこう。
日本との間にも特別便しか飛んでいない今、定期便はいつ飛ぶか見通しがつかない。
いつ日本からオットが帰って来られるかは見当もつかない。
当然くろまめもいつ帰国することになるかは分からない。
ベトナムへ来てからもはや1年以上が経過。
昨年12月にホーチミンに引越して来て、まもなくコロナがやって来てしまった。
オットは3月に日本に帰ってしまった。
友人のいないボッチお困り生活ももうすぐ1年。長い長すぎる。
家族に「メンタル最強説」も流れる中、実際はそんな最強なわけがない。
このまま帰ることになったらひとりでこの家の中にいる思い出しかないわ。(泣)
行く必要があるかどうかは別として、まだピンクの教会にすら行ったことがないわ。
求職活動は暗礁に乗り上げたままだし、オットの会社はビザの延長すらしてくれない。
「おいらホーチミンでなんもしてねぇよ?」
このまま帰国することになったとしても、せめてなにか、なんらかのメモリーが。。。
目に浮かぶのはオーダーする気満々だったアオザイ風ワンピースのこと。
でも、この状況でお店は営業しているだろうか。
まずはお店が開いているかどうか見に行ってみようか。
向かったお店はドンコイ通りのKiTO(キト)
役所へ行った帰りに思い切ってお店を見てみようと思った。
お目当てのお店はホーチミンの観光通りと言われるドンコイ通りにあるKiTO(キト)
国際線がほぼ止まっている今は見事なまでに観光客がゼロ。
歩いていたら何とも言えない気持ちになる。
来るたびにいつも賑やかだった通りは見る影もなく閑散としている。
こんなにも静かなドンコイ通りは今まで見たことがない。
ほとんどのお店はシャッターを下ろしていた。
営業しているのはホテルとチェーンのカフェとコンビニだけ。
いつも行列が出来ていた両替屋さんも閑散としている。
特に雑貨店のほとんどは開いていない。
不安に思いながら歩いていくと…!
KiTO(キト)の特徴的黄色い外観が見えてきた。
ああ、良かった!営業してる!
華やかなお店の色がドンコイ通りをパッと明るくしてた。
くろまめが長年このお店にハマるわけ
今なうこのタイミングでカミングアウトしちゃうけど、くろまめ実はこのKiTO(キト)の20年来のファン。
最初のベトナム家族旅行の時、中心地にあるコロニアルホテルに宿泊していてKiTO(キト)の初期のお店が徒歩圏内だったことから、旅行期間中に3回くらいお店に行った。
2日目にお店に行った時に買った麻製のパスポートケースは20年たった今もまだ使い続けてる。
そのボルドーカラーの麻製のパスポートケースは蓮の花の刺繍が施されていて、開くと中はグレーのタフタ生地。
パスポートサイズではなく一回り細長いカタチで片側にチケット、反対側にパスポートとカードが入るようになっている。パスポートカバーと違って、いちいち外す必要がなく入国審査場でもスッと取り出せる。
“旅まめ”として旅行には必ず持っていくお気に入りグッズだったし、33か国を巡った旅のお供だったこのケースにも思い出がいっぱい詰まってる。
一緒に購入した蓮の刺繍入り巾着もベトナムらしい可愛らしさだったけど、思いのほか丈夫で、洗濯を繰り返しても角がほんの少し擦れてるくらいでまだまだ現役。
そんな風に商品の縫製がしっかりしていて、予想外に長持ちだったこともあり、ますますお店はくろまめのお気に入りになっていった。
それ以降も足繁く通い、長い年数が経って何のご縁か自分がホーチミンに住むことになった。
シンガポールからもオットとともに、そして友人とも何度か一緒に来た。
ベトナムには可愛いキッチュな雑貨が多く、お店巡りが楽しい国。
中でも自分が一番長居するのがこのお店 KITO(キト)なのだ。
だからくろまめの元に来た友人はもれなくこのお店に連れて行かれる。
お店とアオザイ風ワンピースのコンセプト
このお店の特徴はベトナムの伝統工芸を守りつつ、使いやすい良質なものに拘ってオリジナル製品を作っていること。
店主はベトナム人のキトさん。
商品のデザインと店舗の内装は日本人の奥さまのみおさんが担当。
布地はお店の在庫だけで200種類を超え、熟練の縫製職人さんを抱えるベトナム雑貨の老舗的なお店。
ベトナムの伝統衣装であるアオザイは背が高く細身の人には着映えする素敵な衣装。
だからこそ似合うためにベトナム人は定期的に着て体型維持をすると聞く。
スリットが長くて脇腹が見えちゃうアオザイはイベント着として絶対的に映える。
でも日常着として着用するものではなく、日本に持ち帰って着られなければ残念な箪笥のこやしだろう。
アオザイに憧れていても日本で着るには難易度が高すぎると考える人は多いはず。
そこでKiTO(キト)のデザイナーであるみおさんが
ゆるく楽に日常着として着られるように日本人好みのデザインでアオザイ風ワンピースをつくった。
✔日本に持ち帰っても違和感なく着られる
✔快適さとスタイルアップの両立
お店の商品はみおさんが現地に直接買い付けに行って、厳選した布地を使って縫製する。
ワンピースだけで15か所を採寸し、パンツスタイルでオーダーすると20か所ほども採寸する。
胸位置、肩位置、ヒップ位置など、着る人の体型に合わせて、それぞれに襟ぐりの深さ、脇繰り、腰位置、スリットの長さなども変えてると聞いて驚く。
アオザイ風ワンピースはAラインのシンプルなパターンのワンピースだと思い込んでいたけど、そこまで快適さとスタイルアップの両立にこだわって手づくりされているとは…。
一般的に日本人はお尻の位置が低い人が多いそう。
脚が短めだということは知っていたけど…。
その位置も高めにして脚長に見えるようにするために背中のくぼみ位置まで測る。
短足のうえに胸位置が低い、なで肩、ぽっちゃり、二の腕太めを気にするくろまめには有難すぎ。。。
フィッティングのこだわりポイントがとても多いのは日本人の体型を熟知しているからこそ。
オーダーしてみて初めて既成のお直しのときとも違うことが分かる。
体型を隠しつつもダサくならず、着映えするように考慮して作られていると改めて感心した。
着る人がゆったり楽なのにスタイルアップして見えるなんて、神。
ワンピースは布地が二重になっていることもあり、使用する布地の長さは驚きの6メートル。
パンツタイプスタイルやふっくら体型用に縫製すると7メートルを超えるとか。
(ものすごい生地代かかってる…)
ゆったりと楽なので、こんな風に娘さんとのお揃いで作ることも可能。
↓
可愛い!子供用!
↓リバティ柄のトップスはパンツにもスカートにも。
いよいよオーダー!いざ採寸!
コロナ禍でぽっちゃり化したくろまめも恥ずかしながら採寸してもらった。
採寸しないとオーダーはできない。(^-^;
ほんとに細かく何か所も測る、測る、測る。(まだ測るか…)
もちろん服を着たままだけど丸裸にされてる感じで嫌な汗かいた。笑
そしてたくさんの種類の布地から2種類の生地を選ぶ。
迷ったときにはお店の人がいろいろアドバイスしてくれるのも、日本語でやり取りできるのもありがたい。
仕立てはオーダーから3日で出来上がる。
旅行の時は最短で1日で仕上げてくれるので相談可能とのこと。
くろまめはもちろん急いではなかったけど、出来上がりを楽しみにしてた。
↑縫製職人さんのオーダー紳士服も。
オーダーワンピースの出来上がり
数日後に出来上がったワンピースをお店に引き取りに行った。
デザイナーのみおさんがベトナムの伝統を大切にしながら着やすくスタイルよく見える日常着をコンセプトに試作に試作を重ねながらデザイン。
実際にオーダーしたものを着てみたらどうなのか。
ドキドキわくわくだよ。
着心地が最高
ハンガーにかかってる出来上がりのワンピースを手に取ってみる。
上のプリント生地と下のコットン生地の濃淡のバランスがいい感じ。
試着室をお借りして首の後ろのボタンを外して、いざ試着。
頭からすっと被れてワンピースはゆるやかにフィット。
出来上がりを試着したら着心地の軽さに感動。
布地が二枚重ねなのにこの軽さ。
生地をたっぷりと使っているのに軽いから暑いホーチミンでも涼やかでさらさらの着心地。
歩くと空気をまとって胸から下の動きが美しい。
そして楽ちんなのに襟ぐりや脇ぐりは開きすぎず詰め過ぎずで上品に見える。
二の腕がシャープに見えるように肩位置にも工夫したと聞いてなるほど納得。
体型隠しワンピースだった!ww
気負いなく着られそう。
ホーチミンでおしゃれしてお出かけってチャンスはなかなか無いけど、日本に帰っても普段着としても違和感ゼロ。
着る人がちょっと痩せたらなお良さげ。。。
思い切ってオーダーして良かった!
これはおススメできる。
KiTO(キト)のベトナム雑貨店としての矜持
お店にはくろまめの大好き過ぎるかごバッグもたくさん並んでいる。
どれもこれも可愛くて見ていると1個に決めきれない。
たくさん欲しくなる。
自然素材のかごバッグは見えない糸で補強してあるそうで、こんなところも推しポイント。
↑ い草製のかごは真ん中部分で折りたたむとインテリアかごとしても使える。
ホーチミンにMUJIがオープンしたよ。
次はシフォン生地のもをオーダーしたい。
今回くろまめがオーダーしたアオザイワンピースはコットン生地。
みおさんが着ているシフォン生地の流れるようなシルエットも素敵だったので、次回はシフォン生地のをオーダーしたい。
流れるようなシルエットで抜群のスタイルが際立つみおさん。
くろまめだと流れないシルエットになる可能性もあるので、やっぱり痩せなきゃ。
洗濯はどちらも最初の数回だけ他の物と分けて色映りを防いでくださいとのこと。
数回洗濯後はネットに入れてそのまま洗濯機でOK。
お手入れも簡単でいい。
ちなみに今回は撮影許可を得てたくさん写真も撮らせていただいた。
↑希少なソンベー焼
オリジナルバッチャン焼の食器や小物入れは華やか。
フランス統治時代の貴重なソンベー焼の食器もベトナム屈指の品揃え。
陶芸が趣味のくろまめは毎回雑貨部分を見るだけでもテンションがあがりっぱなし。
フランス統治の歴史があるベトナム。
オランダから200年前に持ち込まれた食器やその後サイゴンで作られたものなど、ソンベー焼のノスタルジックで美しい食器たち。
眺めるだけで眼福。
今回はお店の了解をいただいて写真撮影、商品についてもしつこいくらい質問に応えてもらった。
話してみてよくわかったのは“情熱を持って品質にこだわる”からこそ、お店が長く続いているんだということ。
くろまめと同じような長年のファンがたくさんいるんだろうと思った。
いろいろな思いで頑張っている日本人御用達のKiTO(キト)
最近はベトナム人のお客様も増えてきているとか。
ホーチミンに来る機会には、ぜひ訪れて欲しいお店。
ごきげんよう。
くろまめ
【アオザイワンピース価格】
・既成 サイズ展開 S/M/L 1,900,000VNĐ(9,500円)
・オーダーS/M/L 2,100,000VNĐ(10,500円)
・LLサイズ 生地によって+100,000VNĐ〜(500円~)
・特殊生地(刺繍入り等),シルクコットンなどは+1,00,000VNĐ~(500円~)
オーダーは特急の場合は1日、通常は3日
旅行の初日に行くことをおススメします。
今は一部オンラインでもオーダー可能のようなので下記のie-mailアドレスで確認ください。
【店舗情報】
KiTO(キト)
78A Dong Khoi St.,Ben Nghe Ward,District,1
TEL:028 3829 6855
e-mail:kito.hcm.1978@gmail.com
Facebook:KiTO Shop
Instagram:kitonioimade
営業時間11:00~20:00
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こんな風にお昼寝できるひとにわたしはなりたい。
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