【ぼっちホーチミン悲劇】食料難民の次は水難民だyo…水のおじさんに失恋???

ベトナム生活

しんちゃお。

シンガポールに住む友人の息子ちゃんからの可愛い絵手紙が届いてほっこりくろまめです。
この〝厳格な社会的隔離下〟シンガポールからひと月半の時空を隔てて届いたチョコの甘さときたら!食料難民の身に沁みいる…(泣)

シンガポールポスト頑張ってくれ。ベトナムポストは頑張ってるぞ。

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【ぼっちホーチミン悲劇】食料難民の次は水難民だyo…水のおじさんに失恋???

ジリジリして地団太踏みながら待っていた「アパート敷地内への配達員入場可能」のお知らせ。

キタよ!━━━━(゚∀゚)━━━━キタッ!!!!

ゲートは未だに存在し続け、敷地内に入るゲートには兵士も公安もいてがっちり警備してるけど。公安の通行許可証を持っているシッパーさんたちだけ検問を通ることを許されたもよう。
ひとまず敷地内に配達が入って来られるようになるのは口座振込ができない我ら食料難民にとってはかなりの朗報。
というのも、シッパーさんさえつかまえることが出来れば、現金またはクレジットカード登録してあるアプリで買物ができるようになる。
(ただし現実はそう甘くはなかった。)

この日を敷地解放記念日に定めよう。
その前にまずは水!まずは何より水。
ひとに先んじて水のおじさんに注文しなければ!
さぁメッセージを送るのよ。この前の轍は二度と踏むまい。

↓思い出したくない…水さえ手に入らなかったあの忌まわしき日

【ぼっち悲劇】食料補充作戦失敗のまま迎えたホーチミンシティの〝厳格な都市封鎖〟 
8月23日(月)から始まったホーチミンの都市封鎖と言う名の絶対外出禁止。食料品の買い出しでしか外出できないはずの人々が数日前から激しい動きを見せ始めたと同時に北部から人民軍が派遣されたというニュース。日を追うごとに激しさを増す買い出しパニック…。

大急ぎおじさんに送る文言をベトナム語に翻訳
「あなたに時間ができたときに水を3本配達してもらえませんか!」

返事!
返事!

おじさぁあん(泣)返事~!

30分後「OK、明日行くよ」
ひゃっほーい!!!
返事をもらった時「おおおっ」と声が出た。
感受性のハードルがだいぶ低くなってるようだ。

「OK、明日行くよ」
なんて素敵な響きだろう。いや待て待て、前回だって「ok」の返事だけはちゃんともらってたんだった。おじさんに来る気があったとしても先日みたいに頑張っても頑張っても物理的に配達無理~!ってことがあるかもしれない。


おじさんからの返事をもらった翌日はあの忌まわしき〝厳格な社会的隔離〟前日と同じようにジリジリと息をひそめるようにして待った。
何時に水が届くかはわからない。いままでは起きてからSMSしてたから朝早くに来た事はない。今回は前日にメッセージしたからには、ちゃんと朝も早よから起きて、パジャマから服に着替えてスタンバっておいた。顔は洗ってない。

でも10時になってもおじさんは来ない。たしかに配達はさぞかし混んでいることだろう。
日本人が多く頼む水やさんも陽性者が出て休みになったと聞いた。みんな誰もかれもが水が欲しいんだ。

おじさんは12時になっても来ない。
こんなハードな状態になる前は毎回メッセージしてから1時間以内に来てくれていた。

ステイホーム中というのは、ほんとに一歩も部屋の外に出ず、家の中にいるわけで、しかもずっと自炊をするわけで、20リットルのボトルですら目に見えてどんどん減る。パスタ茹でるのも水、そうめん冷やすのも水、カップ麺だって、なぞスープだって水を使う。そして麦茶も1日2リットル以上飲む。

ジリジリジリジリ。
そして14時が過ぎた。来ない。。。。
なんか知らんけどちょっと悲しくなってくる。おじさんもう来てくれないのかな。

くろまめは水のおじさんと言語を使わず専らノンバーバルコミュニケーションながら、仲良しのつもりだった。ほんとうはこちらが勝手にそう思いこんでいただけで、おじさんは同じキモチではなかったのかも知れない。
も、し、や、片思いだったのだろうか。
それともあの直前のバタバタでおじさんもブチ切れて「もおええ!!!」って振られちゃってたの?
これは失恋なんだろうか。水が届かない胸の痛みは失恋に似ている気もする。

18時になってしまったら、どなた様も外出禁止の時間を迎える。
時間は早送りでどんどん過ぎていった。
15時になったら、またメッセージしてみようか。催促したくはない。しつこく縋りつくオンナみたいで嫌だけど、そのくらいの時間がデッドラインのような気がする。
ソクバッキーな女じゃないの。ただただワテは水欲しいんだぁあああ!よ?

15時すぎ意を決してメッセージした。しかもいきなり使いたてのZaloでおじさんを探して送った。まるで友だちみたいに。
「今日あなたは来られますか?」
ジリジリジリジリ…チクタク…チクタク

 

16時「今日行けるよ」返事キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

そして17時すぎ、おじさんから待望の電話。
ベトナム語は1ミリもわからないけど、いつもどおり妄想翻訳で「今なう、たぶん下に来てる!」
空の大きな20リットルボトル3本と、運ぶbyマイセルフ用のキャリー持った。
飛ぶようにして下に降りた。


おじさんはスマホを打ちながら玄関前の柵の向こう側に立っていた。
「アンオーイ!(おにいさーん!)」振り向いたらおじさんは満面の笑みで手を振った。
なんかぁ、振られてなかったみたい、うふ。

台車には水を3本じゃなく4本載せていた。「アン(おにいさん)1本多いけど?」って言ったら「いいよ4本にしとけ」みたいな。(あくまでも妄想)

それもいいか。しょちゅう来てもらうのも会いたがるソクバッキー恋人並みに嫌だし。
おじさんに水代4本分と追加1本の保証金を渡して、おつりはいつもどおりチップにした。
おじさんは配達料を取らないのでチップくらいでは足りないだろう。

ところで、もう17時半過ぎてるけど、おじさん外出禁止時間までにちゃんと家に帰れるかな。つかまると罰金になるから、少し心配になる。もしもベトナム語が話せたら聞いてたかもしれない。恋人でも家族でもないけど。
おじさんは水を配達してくれるおじさんなのであって、なにも配達してくれなければスルーするおじさんだ。


くろまめのキャリーには大きな水のボトルは1本しか載らない。

おじさんとのやり取り中、玄関前で采配を振るってた英語ネイティブのボランティアリーダー超美形のチュイさんがやって来て「1本だけ自分で運んで、ほかは置いて行っていいよ、誰かに運ばせるよ。」と言ってくれた。

おお、ありがてぇ。
おじさんはチュイさんにも「ありがとう」を言って「ば~い!」と帰っていった。

 

怪しいおじさんから良いおじさんへ。

そして20ℓのボトルをやっと家に運び入れ、消毒してるとき、残りの3本をガラガラと台車で運んできてくれたのはスイカおじさんだった。

スイカのくだり覚えてる?

【ぼっち悲劇】キャッシュレス機能を持たざるもの 食材注文の資格なし!
厳格な〝社会的隔離〟が始まってから次々に明らかになっていく詳細と次々に変わっていくルール。買物の支払いは銀行振り込みのみ?持ってない人はどうなるの?とうとう兵糧攻めがやってきた。


おや???もしやスイカおじさんじぇね?
「どうもありがとう」と言って自分で運ぼうとしたら、おじさんは「オケオケ」と言って、台車のまま部屋の中まで入ってきて(正直に言う、これはちょっと嫌だった→床除菌)1本ずつバスルームの横まで手で運んでくれた。
ボトル20キロはなかなか重いし持ちにくい形状だしで、キャリーで1本運んだだけで汗だくになってた。
指が滑って指紋認証できなかったほどむやみに手に汗をかいた。

スイカおじさんありがとう。
この日からスイカおじさんとゴミ捨てで廊下に出た時に会ったりすると遠くからでもちょこっと手をあげて挨拶してくるようになった。

ベトナムのおじさんってなんかやたらとシャイだな。

後で知ったが、スイカおじさんは初日からボランティアに参加していたらしい。
女性が多いメンバーの中でおじさんは主に重い荷物を運んでたそうだ。
どおりでフロアがしんんと静まり返って誰も出てこない無人のような雰囲気の中、おじさんは指紋認証ではなく都度ピンコードでドアを開けるもんだから、
頻繁に廊下にピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッと10回押した後にピーヒャラーと開錠される音が響く。
ステイホームなのにおじさんだけ相変わらず出入りが多いなと思っていた。今まで一緒にいた家族は別宅に避難しているのかハードな社会隔離になってからはおじさんしかいないようだ。

スイカおじさんは最初は家族でエステをやっていた。美容室やエステは早い段階から営業停止になる。停止になって始めたのが野菜売り。大量の野菜を運び込んだり運び出したり見たこともないほど大きな台車を何台も持っていた。そのあとはスイカ専門で営業してた。今思えば、ほんとに申し訳ないことだけど、うさん臭いおじさんとしか思えなかった。〝厳格な社会的隔離〟からはおじさんはひとりぼっちになって自分からボランティアに立候補して重い荷物運びをしていたと後になってチュイさんが言っていた。

おじさん偉いな、見直した、なんかごめん。

人と会うことのない〝厳格な社会的隔離〟ながら、この日は1日のうちに二人のおじさんとほっこり接点があったのだ。もとからひと好きの方では決してない。でも久しぶりにひとの笑った顔を見るというのはいいものだな、と思った日だった。

 

へんがっぷらい!(また会いましょう)
くろまめ

 

こんな光景いつ見られるかな。
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ああ、無性に激チャリしてぇ。
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