ベトナムに新型コロナ第三波 3ヶ月ぶりに市中感染者 ※12月2日更新

ベトナム生活

突然、飛び込んできた速報は市中感染の発生。

11月30日夜にベトナム国内で約3か月ぶり、ホーチミン市内では4か月ぶりとなる新型コロナの市中感染者(国内1347人目、男性:32歳)が発見されたというニュースが飛び込んできた。

ホーチミン市で英語教師をしているこの男性は、市内で隔離中のベトナム航空の客室乗務員(男性:28歳)から感染した。
客室乗務員が隔離期間中にもかかわらず他者と接触していたことが問題視されている。

この客室乗務員の男性(国内1342人目の感染者)は、11月14日に日本から南部カントー国際空港に到着後、ホーチミン市に移動して11月28日に陽性と判明した。
現在はクチ郡の仮設病院で隔離されている。

規定の隔離期間である11月14日から18日まで、ホーチミン市タンビン区にあるベトナム航空が管理する隔離施設に滞在していたが、その間に1325人目の感染者となった別の同僚と接触した。

その後2回の検査で陰性となったため、規定に沿ってタンビン区の自宅に帰宅して自宅隔離を続けた。ところが、その期間中に母親(ホックモン郡在住)と友人男性1人(6区在住)、友人女性1人(ビンタイン区在住)の3人と接触し、友人男性1人が陽性判定を受けて1347人目の感染者となった。

 

さらに2名の市中感染者が発見される。

12月1日、新たに見つかった市中感染による新型コロナウイルス陽性患者2人は国内1347人目の感染者(英語教師の男性:32歳)の接触者とされている。(本日さらに1名の感染者)

このうち1人は、生後1歳2か月のベトナム人の男児(ホーチミン市6区在住)
1347人目の感染者の接触者として特定されて、30日昼頃に集中隔離施設に隔離され、同日午後18時に出た検査結果で陽性判定となった。

いまのところ特に症状はなく、現在はホーチミン市小児病院で治療を受けている。
保健当局は既に男児と接触した17人を特定して隔離した。

もう1人は、同じく6区在住の28歳の女性で、1347人目の感染者が勤める英会話スクール「キーイングリッシュ(KEY English)」の10区にある分校に通う生徒だった。

この女性の濃厚接触者として9人が特定されて隔離措置を受けている。

 

4か月間感染者が出ていなかったホーチミン市

ベトナム国内では約3か月の間、新型コロナの市中感染が確認されていなかったが、11月30日にホーチミン市内で新たな市中感染者(国内1347人目)が見つかったことで市民の間で再び緊張感が高まっている。

現在までのベトナムの感染者は1358名で回復者数は1201名 死者は35名にとどまっている。

↓前回の新型コロナ第二波の記事

 

ベトナムに新型コロナ第二波 再び社会隔離になるか ※8月8日更新
急に第二波が到来し始めたベトナムは今回も前回同様厳しい対策打ち出してくるのだろうか。

 

国際線開始に慎重なベトナム政府

グエン・スアン・フック首相は、ベトナムの新しいコロナ感染を受けてすべての民間の国際商業便の停止を命じた。
ベトナム政府は2020年3月25日からコロナの発生を止めるためにいち早く国際便をすべて停止したが、9月にはアジアの7つの国、中国、日本、韓国、台湾、ラオス、カンボジア、タイへの商業便の再開の許可を与えた。

ただし航空会社はまだ政府が外国人乗客のための検疫手続きを完成させられていないため、国際便を運行するすることができていなかった。

 

新規感染者が出たことで帰国便が運航中止。

今現在も日本への定期便が飛んでいない。

日本への帰国便としてようやく12月1日から2021年1月15日にかけて週33便を運航する予定だったものは定期便扱いとなるため、この決定により事実上撤回となる。

政府はベトナム人を送還させる便のみは許可する意向で、今も高齢者や、病気、または経済的に困難なベトナム人を帰国させるための飛行を許可している。

 

政府は今回の発生源を処罰する見込み? 

政府は今回のベトナム航空の客室乗務員(1342人目のコロナ感染者)の検疫手続きにおける各個人と組織の責任を明確にすると明言している。

客室乗務員と所属するベトナム航空には処分が下される見込み。(のちに正式起訴)

航空関係者にだけ適応される優遇措置とは。

5日間の短期隔離は客室乗務員のみに与えられる優遇措置。

その後のフライト要員を確保するために現行のコロナ予防の規定に従って実施されている。
フライト乗務員全員がベトナムに帰国する都度、中央収容所に隔離される。

到着72時間以内に2回の検査を受けて、両方の検査の結果が新型コロナウイルスの陰性であれば、14日間の自己隔離となる。

自己隔離とは、あくまでも自分を他者から隔離するもの。
自粛とは違う。
家族が同居している場合は接触を控え、家族との食事時間をずらし、同じ空間を共有しない。
共有する場合は当然、マスクの着用や空間スペースの消毒が都度必要となる。

 

感染によって分かった自己隔離規定違反。

「1342人目のコロナ感染者」は、自己隔離期間中に母親と友人2人と接触し、英語教師として働くベトナム人男性も含め、数日間滞在していた。

彼は自宅での自己検疫の規則に違反しただけでなく、感染によってベトナム航空の集中隔離中も違反していたことが分かった。
彼は別の客室乗務員のスペースに侵入し、11月26日に「1325人目のコロナ感染者」と確認された別の客室乗務員からコロナウイルスに感染していたことがわかった。

 

「これはベトナム航空による検疫施設の緩い管理を示している」フック 首相は述べた。

保健省はベトナム航空に対して職員に隔離規定を順守させるよう求めるとともに、隔離施設の管理を徹底するよう指導し、
ホーチミン市保健局はベトナム航空のタンビン区の隔離施設を無期限で閉鎖した。

おそらくこれによって短期隔離という乗務員への優遇措置は撤廃するとみられている。

航空業界関係者による航空業界へのダメージ

ベトナム航空は社員の隔離規定違反により、市中感染が再発したことに頭を痛めている。

ベトナム人の帰国便に搭乗するパイロットおよび客室乗務員は、保健省の隔離規定とは別に、ハノイ市またはホーチミン市にあるHVNが管理する隔離施設で5日以上の隔離措置を受けなければならない。
ベトナム航空にはその管理責任がある。

この隔離施設で2回の陰性判定を受ければ、自宅に帰宅することが出来るが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防指導委員会が定めた隔離手順で、その後も14日間の自宅隔離を続けなければならない。

優遇措置である短期隔離が撤廃されるだけでなく、予防措置を怠り、国際線を運航停止にまでさせた罪は大きい。

 コロナ禍で多大な影響を受けている航空業界に、航空業界の人間が与える今回の感染でのダメージが計り知れない。

 

行動範囲が広い教師の職業柄、隔離対象者がどんどん増える。

ベトナムに戻ってから15日後の11月29日、客室乗務員がウイルスの陽性反応を示し、その翌日には英語教師の友人もそれに続いた。
この教師は6区に住む32歳の男性で、少なくとも他に2人を感染させている。1歳の甥っ子と28歳の彼の英語の生徒。

1342人目の感染者は、その時点では陽性判定を受けていなかったとはいえ、自宅隔離中に家族や友人と接触して感染を広げてしまった。

感染した友人男性は英語教師という職業柄、他者と接する機会が多く、かつ行動範囲が広かった。
英会話スクールはもちろん、カラオケ店、コーヒーチェーンなど立ち寄った施設はすべて
営業停止で閉鎖された。
れまでに500人以上の接触者が特定されて隔離と検査を受けている。

その影響でホーチミン市内では散発的にブロックごとの閉鎖エリアができている。

また、このコロナ感染者が出入りしていたビンタイン区のHUTEC(ホーチミン工科大学 生徒2,000人)は今日閉鎖され、しばらくの間、休校が決定した。

隔離対象者はこれからも増える見込み。

 

市民に人がる緊張感と不安

このニュースが報じられた11月28日から、市民はこのまま社会隔離(事実上のロックダウン)になるのではという一定の緊張感を持ち続けていると思う。

第一波のような社会隔離になれば交通手段もなくなって仕事や生活にも支障が出る。

早速、スーパーマーケットの入口でも検温と消毒が始まっていた。
新型コロナの第二波が去って、やっと戻った生活がまたも緊張感に晒されている。

 

在住者にとっては帰国がままならない12月のクリスマスや、もうすぐやってくるお正月に向けてベトナム国内移動を予約していたひともいたはずだ。

長引けばテト(旧正月)期間の帰省や移動にも制限がかかる可能性は少なくない。

ベトナム航空だけではなく一般人にとっても頭が痛いこのニュース。

早速、路上にはマスク売りが続々と現れているという、商魂たくましいベトナム人。

とにかくニュースに気を配りながら、終息を願うしかない状況である。

 

くろまめ 

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