しんちゃお。
外出を引き止めるかのような強めのスコールで10月が始まったホーチミンシティです。
部屋が暗い…。
※アイキャッチ画像はZING NEWSからお借りしました
10月1日(金)〝厳格な社会的隔離〟の制限が一部解除される
さて9月下旬から全市民をやきもきさせてきた〝厳格な社会的隔離〟の行方。
本日10月1日(金)とうとう制限解除となりました。(なににしろ急…)
制限解除を迎えて~祝うひと、フライングするひと、戸惑うひと。
ああ、やっと開放されるのか…と気持ちにひと区切りがつく一方で、コロナ感染者は依然として減らず、本日ホーチミンシティだけでも約4,400人(それでも一旦ピークアウトした感じはある)
ベトナム全土での累計感染者数が80万人に達する勢い。
死亡率は高く、医療も日本に比べると脆弱、ワクチンもまだまだ十分ではない状態で【withコロナ政策】への急な転換は戸惑いの声も少なくない。
この状態で人々が外に出て活動を始めるのか…。
本当に危ないのはこれからなんだな。そもそも社会隔離前の生活が思い出せないんだ。
制限解除の前日は市内の各所に設けられていたバリケードが次々と撤去されて喜びの声があがったらしい。テト(旧正月)に使う花火を持ち出して路地閉鎖の解除を祝うひとたち。今年のテトも自粛だったから…気持ちは分からないでもない。
我がアパートではすでに昨日の夕方から住人が公園に押し寄せたらしいし、公園の日本庭園付近ではベトナム人グループが酒盛りしていたという情報も。フライングと酒盛りは普段からあかんやつ…。
昨日からはバイクのエンジンをかけるひと、車を洗車しだすひと、断続的なエンジン音が響いてくる。みんな解除への準備を始めているのかな。
省をまたいでの移動は依然として禁止。
いっぽう故郷に向かう何千ものバイクで高速道路が混雑、田舎に帰ろうとする人々の前に移動公安警察が立ちはだかって家に帰るように説得するも、ある箇所では人民が実力行使でバリケードを突破したとか。何と…
いまは省をまたいでの移動は禁止されているので、突破した人たちは後日多額の罰金を支払うことになるのだろう。制限中に帰省してコロナに4人感染させたという罪で服役刑が決定したひともいるわけで…。
突破できなった箇所では止められてもなおその場に留まり、待ち続けるひとの姿も。家族を何より大切にするベトナム人。帰省したくてずっと我慢してたのかな。地方にコロナを流行させないための措置とはいえ、待ち続ける姿がなんともやるせない。
工場で寝泊りしてる人たちもホーチミンの自宅には当面戻れない。
制限解除の詳細は不確定。
今回は制限解除といいつつも発表されていないことや不確定なことも多い。交通機関の情報もまだ正式に出てはいない。タクシーは使えるの?美容室は開いてるの?今日のチャットではタクシーは予約できなかったというひとや、運良く予約できて移動できたという人も。
Grab などの配車は依然として止まったままで路線バスも動く気配はない。
マッサージやジムも当面営業できない項目だろうが、プールが開いたというアパートもある。
制限解除で今までガラガラの道路を走っていた配達員たちは急に道路にバイクや車があふれて戸惑っているんだろうな。
思えば長い道のりだった…なによりも食糧難がいちばん堪えた。
厳密にいえば4ヶ月ものステイホームを強いられたホーチミン市民。
中でも8月23日からの〝厳格な社会的隔離〟期間は精神的に相当キツく、外出を規制されたうえでの食料不足はメンタルを予想以上に痛めつけた。我慢を強いられているのに感染者が減らないのもイライラの原因となった。
この制限解除も地区によって内容が全然違ってて、グリーンゾーンは以前から普通にコンビニに買物に行けたと言うし「は?食糧難であえいでるなんて何時代?」って言われた日には憎しみが沸いたよね。
通行証を持っている友人の話では困難度合は同じホーチミン市でも地域によって天と地ほどの差があった。野菜やコメが手に入らなくて困ってると言う人と、「は?野菜?もうそういうのはいいの、今はフードデリバリーを選ぶのが大変。」という人がいてびっくりしたと言っていた。
調味料はあきらめたけど野菜はなんとかしたいと切実に思っていた時にフードデリバリーしてたとは!特権階級かっ!
確かに特権階級なのだ。なぜなら家賃の高い中心部1区や7区は感染者が少なく比較的自由なグリーンゾーンなのだ。
☟食糧難のときに助けてくれたひとたち
解除になっても家には帰れないひとたち。
省間移動が制限されていることもあるが、基本職場通勤が禁止なのである。
友人も職場に泊まり込んですでに3ヶ月以上が経過。感染者を決して出してはならないため、このあとも泊まり込み勤務が続く。
全員泊まり込み勤務が決まった日、家族優先だからと泊まるのを拒否した社員は辞めて行ったと言う。泊まり込み勤務をしていたひとも途中で限界を迎えて辞めて家に帰ってしまったひともいる。
従業員も当然ながら、管理する側の苦労も計り知れない。管理職は普通の勤務形態でも苦労が多いのに従業員の寝食の手配までしなければならないのだ。ギリギリの人数でフル稼働しても人がどんどん辞めていく。
そして職場に留まり友人は子供に4ヶ月会えていない。
近郊の工場でも労働、宿泊、食事を1か所にできなければ稼働できず、工場泊まり込み勤務が80日以上というところもある。その間、一切外出することなくすべてを工場内でまかなって300人以上で稼働してきたのにひとりの陽性者が出たことがきっかけで、当人が収容所送りとなり、最後は残ったのは4人だけという悲惨な話も聞く。そんな人たちもホーチミン市の自宅に帰れる日は遠い。切ない、切なすぎる。
くろまめの知り合いの日本からの出張者はホーチミン市に宿泊しながら各省の工場を視察している最中の行動制限で日本に帰国できなくなり、工場のある省からホーチミン市の宿泊先にも戻れず、工場近くの宿泊施設に長い間留まっている。
生鮮品もパッケージ不足が顕著で、出荷できなければ時間経過とともに生鮮品がどんどんダメになっていく様は生産者にとって辛すぎる現実だと思う。容器が手に入らずに営業できなくなった業者も相当数あるという。
ぼっちと言えども自宅で過ごせる自分はなんと幸せなことか。。。
頑張っても感染者は減ってくれない。ロックダウンの悲しい現実。
こうして頑張って働いて社会に貢献している人たちがいる一方で、社会隔離が延び延びに延びたせいで国内経済は大ダメージを受け、外資からの信用も失いつつある。
我慢に我慢を重ねても医療が追い付かず、コロナ以外で亡くなった方の火葬も後回しになっている。
こんな悲しい現実は実際にこの地にいなければ理解しにくい。
知人が電話で言っていたことがある「日本もロックダウンすればいいのに」
ロックダウンすれば、と口にする当人はロックダウンの現実を知らない。
だから感染対策と自粛だけでピークアウトした日本はすごい。
衛生観念や自粛意識が他の国とは明らかに違っていて、自粛だけで乗り切れる国は他にない。
日本はやっぱりすごい。
制限が緩和されても引き続き自己責任での自粛は続く。
ワクチンが十分にいきわたっていないまま人流がいちばん激しくなるこの規制緩和のタイミングは当然ながら最も危険になる。
くろまめは巣ごもりが長すぎて、外に出ても歩く力が残ってなさそう。
南国炎天下、26,000歩も一気に歩いて足がつってしまった日は夢かうつつか、もはや蜃気楼。
いまなら外に出て日を浴びた瞬間にドラキュラ並みにめまいを起こして倒れこみそう。
コロナ前からひきこもり、コロナ中もひきこもり、もちろん明日からも絶賛ひきこもり予定。
制限解除は犯罪者の仕事始め 社会隔離の影響でインフレや治安悪化も
そして本日、早速回ってきたのはひったくり急増注意のお知らせ。
市内各所でひったくりが多発しているとか。
情報を回してくれたひとの知人がATMを出た直後にひったくりに遭ったそう。
ATMにも数か月行けなかったんだからそりゃ行くよ。現金が枯渇したひと多かったんじゃないかな。現金引き出しが増えるタイミングは、ひったくり犯のお仕事はじめ。
治安の悪化も自粛したい理由のひとつ。
失業や閉店が相次いで治安が悪化している今はコロナも怖いし、犯罪も怖い。
もう二度と異国でスマホがなくなる恐怖は味わいたくないし、制限解除後の行動も自己責任。
しかしこの〝厳格な社会的隔離〟の影響はさすがに大きかった。
人手不足で物流や製造が大幅に遅延
物資不足でインフレーション
学校が長期間の休校で学力低下
人員がワクチンや検問、医療に取られて行政手続きが遅滞
それでもコロナが制御できてたらまだ制限の甲斐があったものの…。
さて明日からは飲食店も一斉にデリバリーを再始動するのでInstagramにはまたデリバリー合戦が始まる予感。
長い長い冬があけてこの世の春がキタ「わーい!」とお祝いムードのひと、フライングするひと、慎重に様子見するひと、むしろ今までよりも自粛するひとと、明暗がくっきりと分かれそうな気がする制限緩和初日の夜であります。
皆さんも引き続き安全に。
へんがっぷらい。(また会いましょう)
くろまめ
緩和だから何人でも乗りなはれ!
ポチっとね。
いやいや、まだまだ自粛は大事♪
ポッチリね!